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腫瘍細胞の染色体

2021/02/20

<腫瘍>

1.腫瘍の一般

(3)腫瘍細胞の特色

③腫瘍細胞の染色体

腫瘍細胞の染色体には、下記のような特徴が挙げられます。

〇腫瘍細胞の染色体では、しばしば異倍数性が認められます。

〇時に腫瘍に特有の標識染色体の存在が見られます。これは、腫瘍が単一細胞系であることを示唆します(例えば、慢性骨髄性白血病のPh¹染色体)。

〇体細胞の突然変異で、様々な染色体変異を起こし、腫瘍発生にもつながります。しかし、染色体異常ががんの発生に必要かと言えば、必ずしもそうではありません。

〇ウイルスなどによります発がんの際、染色体変化を認めないものがあります。

注:異倍数性

相同染色体の数に増減が起こっている場合で、1対の相同染色体の一方が消失している場合をモノソミー、反対に増加して3個、4個となっている場合をトリソミー、テソラソミーと言います。異倍数性は細胞分裂時における染色体の不分離や消失によって起こります。

注:標識染色体

慢性骨髄性白血病に見られますフィラデルフィア染色体のような物を言います。22番目の染色体の長腕の一部がちぎれて小さくなっているもので、Ph¹と記されます。慢性骨髄性白血病の幼若細胞に見出されるため、診断的価値が高いです。

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