- トップページ
- >
- 「健康」は積極的に増進してこそ
「健康」は積極的に増進してこそ
- 2019/09/05
『健康でありたい』「いつまでも元気で、長生きしたい』と思わない人はいないでしょう。
また、『自分は健康だ』と思っている人でも、『もし病気になったら、働けなくなったら‥‥』と考えますと、じっとしていられない不安に襲われるでしょう。
働く者にとって、「健康は資本である」と言われますが、健康が害され、働けなくなったら、元も子もなくなり、楽しいはずの我が家も不幸のどん底に落ち込むことになります。
よく考えてみますと、『人生はただ1回の招待』であり、自分の生命を健康に保ち、幸福に長生きすることは、資本どころか、何物にも代えることのできない、尊く貴重なものなのです。
貝原益軒氏は<養生訓>の冒頭で、『ひとの身は、天地・父母の恵みを受けて生まれ、養われたものであるから』、『謹んでよく養い、損ない破らず、天から与えられた寿命を、長く保たねばならない‥‥だから養生の術を学ぶことは、人生第1の大事である』と教えている。
ところで、我が国では20歳で成人と認められているので「成人」と言えば20歳からだと思っている人が多いようです。
そして、20代はまだ若い。
歌い、飲み食い、恋愛し、青春を謳歌する。
近頃は60、70になっても若々しい人も少なくない。
だが、生理的年齢が若くなった反面、生活習慣病:高血圧、動脈硬化、心臓病、脳血管疾患、糖尿病、悪性新生物(がん)、精神障害(恍惚の人、もうろく)など‥は増加の一途をたどり、それが現れる年齢層は、年々低下しているいるのです。
生活習慣病は、昔は『老人病』と呼ばれたものですが、これが中年に多くなり、『中年病』とも呼ばれるようになりました。
もう数十年前前になりますが、米国の老年学(ジェロントロジー)の名医スティーグリッツ博士は、「中年は26から」と説きました。
これは中年病、つまりは現在の「生活習慣病」が起こるのは、26歳からであることを警告した言葉です。
人間は誰でも25歳になると成長は止まり、26歳からは、峠を越えて老衰へ一歩足を踏み出すわけです。
ですから、この時期に、まだ自分は若いと思って、無理や無謀な生活をしていますと、生命力曲線は急低下して、成人病(中年病・生活習慣病)が芽を出してしまうことになるのです。
この成人病は、外因性の伝染病などとは違い、内因性の病気で、極めて緩やかに進行するもの、いわば、『身から出たサビ』です。
長い間かかって、サビが酷くなり、臓器の働きもサビ付き、退行性変位(老化)を起こすのです。
その主な原因は、実は、毎日の生活 → 生活環境、働き方、休み方、食べ物、食べ方、睡眠、運動、心の持ち方など‥にあり、それらのちょっとした偏りが、積み重なって現れてくるのです。
このことについては、当院のHP内でも再三再四訴えていることです。
成人病(中年病・生活習慣病)を予防するするには、病気の現れをチェックするだけでなく、健康を積極的に増進することが必要なのです。
『攻撃は最大の防御である』『防御には、己を知り、敵を知らねばならない(孫子の兵法)』なのです。
中年期が人生のいかなる時期であるか、また、この時期に心身の健康がどのような状態にあるのか、ということを知って、対策を立てなければなりません。